コンプライアンス上の事故事例

不正が発覚してマスコミ報道され、会社の信用を失うケースには様々なパターンがあります。偽装が発覚するケース・商品の危険性を分かっていながら放置するケース・もしくは隠すケース・ユーザーに約束していながら守らないケース・賄賂を受け取る、もしくは渡すケースなどいろいろありますが、多くの要因はやはり、金儲け第一主義に起因しているようです。又、「ばれなければかまわない」という、倫理意識の欠如・「超ワンマン経営で独裁主義的体質のため下からの意見が出せない環境」・又最近では「行き過ぎた成果主義能力主義」により、自分の経歴に傷を付けたくない心理もあるかと思います。

もちろん営利企業は金儲けをしなければならないのであり、又、人間だれでも自分に傷がつくことは隠したくなるものです。その本能的な問題と、コンプライアンス意識のバランスが重要と言えます。

事例①ミートホープの牛肉ミンチ偽装事件

元工場長の内部告発により発覚した食肉偽装事件。その後、この告発の様子はNHKのドキュメンタリー番組「たった一人の反乱 食品偽装を告発した男」として2009年暮れに放送されました。

社長が主導して、腐りかけの肉を細かく切ってまぜる・色を鮮やかに見せるため血液をまぜる・菌が検出されたソーセージのデータを書きかえ給食に納入する などという悪質なもので、結果会社は自己破産し、社長も偽装表示と詐欺罪で懲役刑を受けています。

事例②赤福の消費期限偽装事件

伊勢の土産物として有名な赤福餅は、売れ残った餅を冷凍保存し解凍した日を製造日として出荷した・売れ残った商品のシールを張りなおして出荷する という不正を会社ぐるみで行っていました。通報による保健所の立ち入り検査で発覚し、無期限の業務禁止処分を受けましたが、現在は営業再開しています。

事例③船場吉兆の食品偽装事件

名門料亭として有名な吉兆から暖簾分けされた大阪船場吉兆で、売残り商品の消費期限や賞味期限が切れたラベルを張替えて再販売したり、地鶏やみそ漬けの産地を偽装して販売したことが発覚し、一時は民事再生手続開始決定を受け再生するやに見えた矢先、客の食べ残しを再び別の客に出すという事態が明らかになり、ついに廃業に追い込まれました。経営陣は当初、取引先やパート社員に責任を押し付けていましたが、実態は創業者の娘が主導した醜い偽装事件でありました。


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