相続人調査

相続ができる人は民法で決まっています。これを法定相続人と呼びます。
法定相続人は、配偶者(夫もしくは妻)・子・直系尊属(両親、祖父母、曾祖父母)・及び兄弟姉妹です。このうち配偶者は常に相続人になりますが、婚姻届の出ていない内縁の妻は相続人になれません。内縁の妻が財産をもらうためには遺言で遺贈を受けるか、他に全く相続人がいない場合に特別縁故者として財産をもらうかのいづれかになります。
又、法定相続人の中でももらえる順番が決まっています。

第一順位

子がいる場合は配偶者と子です。他の人はもらえません。配偶者がいない場合は子のみで相続します。
子が既に死亡している場合は、孫がいれば孫に、孫も既に死亡している場合は曾孫が相続人になります。これを代襲相続といいます。
子は被相続人(亡くなった人)の実子か養子縁組をした子、及び認知された非嫡出子(内縁の妻との子は認知されないと父親の財産をもらえません)です。
実子と養子の取り分は一緒ですが、非嫡出子の取り分は実子の1/2です。非嫡出子でも養子縁組すれば実子と一緒になります。法定の相続取り分は配偶者と子が1/2づつです。
非嫡出子の取り分については、平成25年9月3日に最高裁で違憲判決がでましたので、早々に民法が改正されて実子と同一になるものと思われます。

第二順位

子がいない場合や、子が死亡していて代襲相続人もいない場合は、直系尊属と配偶者です。配偶者がいない場合は、直系尊属だけで相続します。直系尊属は親等の近い人に相続権があります。
仮に両親が死亡していたとしても、両親の両親(祖父母の4人のうちの誰か)が生存していれば、その人が相続人となります(但しこれは代襲相続ではありません)。法定の相続取り分は配偶者が2/3、直系尊属が1/3です。

第三順位

子や直系尊属が存在しない場合は兄弟姉妹と配偶者で相続します。配偶者がいない場合は兄弟姉妹だけで相続します。
兄弟姉妹のうち、既に死亡している人がいる場合には、その人に子がいれば1代限りで代襲することができます。法定の相続取り分は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4です。

相続人調査

以上の全ての人の存在を、亡くなった人の戸籍謄本を取り寄せて確認します。
本籍地が転々としている場合や、途中で戸籍の記載方法が変更になっていたりして、生まれた時までの戸籍を全て調べるのはかなり大変な作業です。
不動産登記の場合は亡くなった人が子供を作れる年齢(10歳くらい)まで調べれば大丈夫ですが、金融機関などでは出生から全ての戸籍を要求されることが多いので、生まれた時点まで確認しておくほうが安心です。子供が結婚して別戸籍になっていればそれも追いかけます。
子供がいない場合は両親や祖父母の戸籍を、それらの方も亡くなっている場合は兄弟姉妹の戸籍も追いかけて調べます。
そうして解明した相続人の存在を見やすく一覧にして「相続関係図」を完成させます。ここで漏れがあって、遺産分割協議などやってしまうと無効となり、初めからやり直しになりますので、確実に行います。

相続関係図の見本

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