必要な戸籍謄本を確認しよう
相続手続きに戸籍簿が必要な理由は、民法に規定のある相続人を特定する為です。
民法に規定のある相続人は、配偶者及び尊属(父母・祖父母・・・)、卑属(子供・孫・・・)なので、誰がこの範疇に入るのかを戸籍簿で確認するのです。
以上の理由により、相続に必要な戸籍は・・・
①亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍
一人の人の全ての戸籍簿を確認し、そこに載っている相続権者を特定します。
②相続する人の現戸籍
相続権のある人が、現在も生存しているか、この戸籍簿で確認します。
相続権のある人が死亡していると、代襲や相続順位が繰り下がるなどの影響がでます。
相続手続きには、誰の戸籍を集めるのか?
戸籍が必要な人
1.亡くなった方(被相続人といいます)の生まれてから亡くなるまでの全部の連続した戸籍
2.相続人(相続する権利のある人)全員の現在の戸籍
相続する権利のある人というのは、民法887条~890条に決まりがあります。
第一順位 子供と配偶者(夫もしくは妻)
第二順位 直系尊属(両親・祖父母・・・)と配偶者
第三順位 兄弟姉妹と配偶者
それぞれのパターンによって戸籍を取る範囲が変わってきます。
子供と配偶者がいる場合
①被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍
②(1)子供全員の現在戸籍
子供は、被相続人の最後の戸籍に載っているとは限りません。
被相続人の全ての戸籍を入念に確認し、現妻の嫡出子、前妻の嫡出子、
認知した非嫡出子等々を全て確認します。
現妻の嫡出子であっても、結婚して除籍されていれば現在の本籍地は分かりません。
本籍地の分からない子供の戸籍は、被相続人の戸籍から辿っていくことになります。
(2)配偶者の現戸籍
配偶者が、被相続人死亡後に離婚していても(もしくは他人と再婚していても)、
死亡時に配偶者であれば相続人ですので、その場合も被相続人の戸籍から辿ります。
子供がいない場合
①被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍
②(1)両親の戸籍
両親の戸籍に関しては、どこまで取るかという判断が必要になります。
直系尊属の相続権は、最も親等の近い人が持つので、例えば両親が亡くなっていても、
祖父母の誰かが生きていればその人が、両親と祖父母が全員亡くなっていても
曾祖父母が生きていればその人が相続権を持ちます。
いったいどこまで確認すれば良いのか悩みます。
法務局でも具体的な線引きはされておらず、常識の範囲でということだそうです。
長寿国日本としては、100歳越えが8万人以上いるそうですから、
両親が80歳未満で亡くなっていたら、念の為祖父母まで確認したほうが確実でしょうね。
(2) 配偶者の現戸籍
子供も直系尊属もいない場合
①被相続人(亡くなった方)の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍
②直系尊属の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍
③(1)兄弟姉妹の現戸籍
兄弟姉妹の中に、被相続人より先に亡くなっている方がいる場合、
1代限りで代襲相続ができますので、
その亡くなった兄弟姉妹が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍をとります。
又、代襲相続する子供の現在戸籍も必要です。
(2)配偶者の現戸籍
戸籍が必要な理由
1.相続する人を特定する為。
遺言書が無い場合相続する権利がある人は、配偶者・子供・親・兄弟ですが、
(相続人調査を確認してください)
亡くなった方の一生の戸籍に誰が記載されているのか確認するのです。
配偶者は1人だけとは限りませんし(離婚・再婚)、
子供には養子や認知した非嫡出子(結婚していない女性との間にできた子)なども
対象となるので、それを戸籍簿で確認しなければなりません。
2.相続人が現存することを確認する為。
相続するはずの人が先に亡くなっていると、
代襲相続や相続の権利が繰り下がるなどの対応が必要で、
その為に現存していることを確認する必要があります。